1次系主循環系ポンプ組込型IHXの伝熱管摩耗量評価(3) -振動解析モデルと1/4スケール振動試験装置の製作-

2003 
実用化戦略調査研究で概念設計を進めているナトリウム冷却FBRでは、建設コスト削減の観点から、中間熱交換器(IHX)の内部に1次系主循環ポンプを挿入し、一つの容器内に収容する方式を採用している。この1次系主循環ポンプ組込型中間熱交換器は中心軸にポンプ、その周囲にIHX伝熱管を配置し、1次・2次ナトリウムの流路形成やポンプ・IHX隔壁のため、多数のシュラウドから構成されている。 ポンプとIHXはそれぞれ別の床でその重量を支持されており、また両者はベローズで接続されているため構造的には分離している。しかし、ポンプの回転振動が内在するナトリウムなどを通じてIHX側に伝達し、伝熱管とその支持板との間でフレッティング摩耗が発生する可能性がある。そこで、機器内部のシュラウドを全て梁と仮定したビーム振動解析モデルや、詳細なシェル振動解析モデルを作成し、伝熱管摩耗量の予備的な評価や解析モデルの精度の検討を行ってきた。しかし、この機器の内部構造は複雑であり、解析的な手法ではその振動伝達経路を明らかにすることはできず、試験による解析モデルの検証は不可欠である。そこで、ポンプ回転振動の発生と振動伝達を明らかにするため、750MWeナトリウム冷却炉のポンプ挿入型IHXを1/4縮尺で模擬して、ナトリウムの代わりに水を用いた振動試験体を製作した。この試験体は管束部などを除いて、機器全体をできるだけ忠実に縮小化したものである。試験体内部のシュラウドや隔壁など各所に設定された加速度センサーにより、ビーム振動やシェル振動を測定することで、振動モードやポンプ振動に対する応答挙動を評価できるようになっている。 本試験装置は、平成14年度までにポンプを除くIHX本体の製作を完了し、平成15年度は加振器をポンプの代わりに設置して振動試験を開始した。また、平成16年度までにポンプとその水循環系を製作し、平成17年度にはIHX本体にポンプを組み込んで、水を循環させた実際のポンプ運転条件による試験を行う予定である。
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