2 型糖尿病に対するジペプチジルペプチダーゼ—4阻害薬アナグリプチン(スイニー(R) 錠)の安全性および有効性の検討―特定使用成績調査(長期使用)SWIM—JPN 中間報告―
2016
ジペプチジルペプチダーゼ︱4(DPP︱4)阻害薬であるアナグリプチン(販売名スイニー(R) 錠)の2 型糖尿病患者に対する観察期間3 年間の長期使用にかかわる特定使用成績調査を中央登録方式により,EDC を用いて実施中である。今回,本剤の適正使用の推進を目的とし,調査票3 ヵ月の3127 例による中間解析を実施し,使用実態下における本剤の安全性および有効性を検討した。安全性解析対象症例3084 例中81 例に94 件の副作用が認められ,副作用発現症例率は2.6%であった。おもな副作用は,低血糖症が10 例(0.3%),便秘7 例(0.2%)および浮動性めまい5 例(0.2%)であった。重篤な副作用は,6 例7 件が認められ,重篤な副作用発現症例率は0.2%であった。その内訳は,視力障害,消化管穿孔,胆管結石,胆管炎,食欲減退,関節痛および脳出血が各1 例(0.1%未満)であり,いずれの症例も副作用発現に伴い本剤投与を中止または休薬した。臨床検査では,投与開始時と比較して投与3 ヵ月の体重,収縮期血圧,拡張期血圧,心拍数,AST,ALT,血清クレアチニン,eGFR,総コレステロール,トリグリセライド,HDLコレステロール,LDL コレステロールおよびnonHDL コレステロールにおいて差が認められ,本剤の使用に際しては,血清クレアチニンの増加またはeGFR の減少に留意する必要があると考えられたが,その他の臨床検査値に問題となる変動は認められなかった。有効性では,投与3 ヵ月後の変化量は,HbA1c値-0.62%,空腹時血糖値-19.4 mg╱dL,随時血糖値-27.8 mg╱dL の有意な低下を示した。本調査の中間解析の結果,本剤の安全性について新たに問題となる所見は認められず,承認時の国内臨床試験と同様に本剤の有効性が示されたことから,本剤は日常診療下の糖尿病治療において有用なDPP︱4 阻害薬であると考えられた。
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