ポリ(無水マレイン酸-alt-2-メチル-2-プロペン-1-オール)-ポリ(アクリロニトリル)のブレンド膜によるアルカリ金属イオンの能動輸送

1983 
ポリ(無水マレイン酸-alt-2-メチル-2-プロペン-1-オール)とポリ(アクリロニトリル)(重量比3:7)のブレンド膜を調製した。この膜を介し,pH差を駆動力として,アルカリ金属イオン(K+-Na+系およびNa+-Li+系)の能動輸送を行なった。輸送挙動への膜厚依存性(20~60μm)および膜を隔てた酸とアルリの初濃度依存性(O.08~0.8mol・dm-3)を検討した。最大輸送率は初濃度が低いほど大きく,K+で88%に達した。輸送速度は初濃度に比例し,膜厚に反比例する傾向を示した。Na+の輸送速度が同条件におけるK+-Na+系とNa+-Li+系で変わることを認めた。輸送選択率は,膜厚および初濃度依存性とも小さく,平均してK+/Na+が1.8,Na+/Li+が1.9であった。走査型電子顕微鏡写真による膜のモルホロジー観察の結果,使用前は非対称な三層構造であり,使用後はアルカリ側が膨潤し,初濃度の高いほどいちじるしいことを認めた。能動輸送機構について考察し,輸送が固定キャリヤー間のH+-金属イオン交換を通して進行すること,開環したラクトン環がイオンの選択的取り込みに関与することを示唆した。
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