イレウスを起こしたL Bence Jones型骨髄腫合併アミロイドーシスの1例

1973 
74才,女性.全身倦怠感,肩の痛みを主訴として来院.入院時,著明な貧血,異型性ある骨髄形質細胞の増加,尿中L Bence-Jones蛋白,骨破壊,著しい腎機能障害を認めた. L Bence-Jones型骨髄腫による腎不全として経過観察中,便秘,嘔吐,腹部膨満が出現.腹部単純X線像,注腸透視より閉塞性イレウスの併発が考えられた.全身状態は悪化し,回腸瘻造設術を施行するも効果なく,腎不全は進行し,気管支肺炎を合併して死亡した.剖検にて全消化管の固有筋層内にアミロイドの著しい沈着を認め,これがイレウスの原因と思われた.アミロイドはその他,舌,心,肺,腎,骨格筋にみられたが,とくに腎尿細管円柱中にアミロイドがみられたことは興味深い.アミロイドーシスの消化器症状を中心に,イレウス発現の機序についての文献的考察を行ない,さらにアミロイドーシスと骨髄腫との関係についても言及した.
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