膵indeterminate mucin-producing cystic neoplasmの1例

2009 
症例は68歳の女性で,嚥下困難を主訴に前医を受診し,膵体尾部に嚢胞性腫瘍を認め当科紹介となった.腹部超音波検査で膵体尾部に径8 cm大の内部に石灰化を有する多房性嚢胞性腫瘤を認め,腹部CTでは脾動脈,胃壁への浸潤が示唆された.ERCPでは主膵管は膵体尾部で途絶し,腫瘤との明らかな交通は認めなかった.膵嚢胞性腫瘍に対し膵体尾部切除,噴門部胃切除・脾臓合併切除術を施行した.摘出標本は径9 cm大の充実部を伴う多房性嚢胞性腫瘍であった.病理組織学的検査では粘液産生を伴う腺癌で胃浸潤,脾梗塞を認めた.Ovarian-type stromaの発現がなく,膵切離断端の主膵管と分枝膵管上皮に乳頭腺腫様病変がみられたことより分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍の浸潤癌である可能性が示唆されたが,病理組織学的にも明らかな膵管との交通がなかったため,最終的にはindeterminate mucin-producing cystic neoplasmと診断した.
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