Phosphorus Budgets in the Mountainous Watershed of a Plantation Forest of Japanese Cypress (Chamaecyparis obtusa) Considering Increased Concentrations of Stream Phosphorus in Storm Events

2008 
森林生態系からのリン(P)の流出は一般的に少なく,わが国の森林流域におけるP収支は多くの場合,支出が収入を下回るとされている.しかし,これまでのPの支出の算出方法は出水時の河川水中Pの濃度変化を考慮しない方法(区間代表法)が主流であったため,P収支を適切に評価しているとはいい難い.本研究では,支出の算出に出水時の濃度変化を考慮することがP収支の評価にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするため,4年間にわたって,ヒノキ人工林に覆われた山地小流域の河川において週1回の定期採水と,18回の出水イベントにおいて1時間おきの連続採水を行なった.その結果,出水時の濃度変化を考慮した方法(分離型∑L-∑Q法)による支出は4年間の平均で,区間代表法のそれよりも3倍大きかった.このため,少雨年の区間代表法による支出は収入を下回る一方,分離型∑L-∑Q法による支出は収入を上回った.出水時,Pは主に懸濁態として多量に流出するため,河川水のP濃度は急激に上昇する.本研究では,分離型∑L-∑Q法を用いることによって出水時のP濃度上昇を考慮して正確にPの支出を推定することができた.
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