Control of Optical Properties of Cu(II) Complexes Formed with Phosphate Ligands in Transparent Resin and Applications to Near Infrared Ray Cut-Off Filter Containing the Complex.

1998 
リン酸メタクリロイルオキシエチル (PMOE) -銅イオン錯体のポリメチルメタクリレート中での近赤外光吸収特性と配位状態の関連性をモル比法によって考察し, この錯体を含有する樹脂板の吸収波長域の調整がモル比の調節によって可能であることを示した. ポリマー中の銅錯体の吸収ピーク波長 (λmax) は, モル比 [リン酸エステル中リン酸基のOH] / [Cu2+] が2から6の範囲で800から840nmヘシフトし, 6以上では一定値840nm付近を示した. [OH] / [Cu2+] =2ではメタクリロイル基中のCOO基も配位しているが, 2から6の間でのλmaxが変化することと6以上で一定であることから, POH基濃度増大に従いCOO基からPOH基への逐次配位置換反応が起きたと推測された. 6以上では置換反応は起こっておらず, POH基6配位状態で安定化していることがわかった. また, 上述のモル比とλmaxの関係を用いることによりこの錯体を含有する近赤外線カットフィルターの可視光透過域/近赤外線カット域の境界波長のコントロールが可能となった.
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