Wandering tumor in the head of the pancreas. A case report

2005 
症例は, 63歳男性. 主訴は, 上腹部の可動性腫瘤の触知であった. CTで膵頭部付近に4cm大の腫瘤を認め, MRI撮像時には腫瘤の位置が大動脈よりも左方に大きく移動していた. 近医で開腹術が行われ, 術中所見および迅速病理診断から, 横行結腸間膜内へ突出した膵頭下部原発の腺癌と診断された. 術中に広範な上腸間膜静脈浸潤が疑われたため非切除となり, 放射線化学治療を受けた. 3カ月後に当院紹介となり, その時のCTでは切除可能と診断し, 亜全胃温存膵頭十二指腸切除術および結腸右半切除術を行った. 病理学的には, 横行結腸間膜に突出する3.5cmの膵頭下部原発の粘液癌であった. 可動性を有する膵頭部癌の報告は, 稀である. 可動性の原因として, 後天的な膵の固定異常あるいは急激な体重減少に伴う, 結合組織の脆弱化が推測された. 後腹膜臓器原発である膵腫瘍といえども, 可動性を有することがあることを念頭におく必要がある.
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