【最新の技術】 脳ミトコンドリア機能イメージングのためのPET プローブ開発―[18F]FDG を超えるPET プローブ開発への挑戦

2019 
われわれの体を構成している真核細胞に呼吸能力のある好気性細菌が入り込んで共生をはじめたミトコンドリアは,細胞およびそれらの集合体としての個体の機能維持に必須なエネルギー供給を担っている.母系遺伝する独自のミトコンドリアDNA(mtDNA)を持ち,核内DNA とは独立して分裂・増殖することができるため,細胞内に存在する多数のミトコンドリアが,状況に対応して絶えず分裂と融合を繰り返しており,ミトコンドリアの異常が生体の健康の変調や各種疾患の発症に関与している.本稿では,ミトコンドリア機能の非侵襲的・定量的計測を可能とする新規PET プローブ[18F]BCPP-EF の開発と,本プローブのAlzheimer 病,Parkinson 病(PD),脳梗塞などの脳神経変性疾患の早期診断への適用の可能性について,著者らが実施した動物実験の結果を紹介しながら概説する.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []