Marginal Branch of the Facial Nerve in Submandibular Dissection for T2 Lingual Carcinomas

1998 
舌癌は早期に発見されることが多いが,早期癌でも頸転移を来すことがまれではなく,これが予後を左右する重要な因子となっている.そこで,T2舌癌に対しても積極的に郭清術を行うことが多い.顎下部の郭清に際しては下顎縁枝の処理が問題となるため,これを安全確実に温存できる顎下部郭清術式を考案した.下はこの術式によって温存される顎下部表在脂肪織の中に含まれるが,郭清術式としての妥当性を明らかにすることを目的として,本術式によって必然的にここに含まれることとなる顎下部表在リンパ節について検討し,以下のような結果を得た.1. この術式によって顎下部郭清を待ったT2舌癌26症例(N(+)12例を含む)について,顎下部表在リンパ節への転移の有無を病理組織学的に検討したところ,転移を認めたものは1例もなかった.2. これら26症例のうちで顎下部(深在)リンパ節に転移を認めたものが8例あったが,この8症例についても顎下部表在リンパ節には転移を認めなかった.3. 郭清術を施行する頭頸部癌10症例について,活性炭を用いて舌側縁からのリンパ流を検討したところ,顎下部表在リンパ節への取り込みを認めたものは1例もなかった.4. 以上の結果から,舌側縁に限局する早期舌癌では顎下部表在リンパ節への転移はないものと考えられ,T2早期舌癌に対する予防的および治療的顎下部郭清術としての本術式は有用であると考えられた.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    4
    References
    2
    Citations
    NaN
    KQI
    []