Antibodies to hepatitis C virus in hemodialysis patients.

1990 
維持血液透析患者における血清HCV抗体の出現について, 70例を対象に検討した.HCV抗体陽性率は15.7% (11/70) であった. 陽性者は輸血歴を有する例, 透析期間の長い例に有意に多かった. 性別, 年齢に関しては有意差は得られなかった.陽性例11例につき検討したところ, 10例は輸血歴を有していたが, 明らかな輸血後肝炎の既往のある例は2例のみであった. 唯一の輸血歴がなくHCV抗体陽性であった例には, 入墨および注射薬乱用の既往が認められた. 過去の血清GPT最高値は, 2例のみが300IU/l以上, 3例は200-300IU/l, 5例は100-200IU/l, 1例は100IU/l以下であり, 比較的軽度であった. しかし, 11例中9例は過去に2回以上の血清GPT値の上昇を示し, 現在も5例は時に血清GPT値の異常を認めている. HCV抗体陽性例のうち, HBs抗原持続陽性例は2例, HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性であった例は7例であった.以上より, 維持血液透析患者におけるHCV感染の主な経路は輸血であると考えられた. HCV抗体陽性者は, 中等度の肝機能異常の既往のある例に多く, またその後も軽度の肝機能異常を繰り返すことが多いことが示された.
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