Indications for Acute Focal Thrombolytic Therapy of Carotid Embolism

1996 
内頸動脈系の脳塞栓に対する急性期局所血栓溶解療法の適応と問題点を,この治療法の成功例,不成功例,未施行例を含めた32例で検討した。対象は内頸動脈系の脳塞栓急性期に局所血栓溶解療法を行った26例に,血栓溶解を行わなかった6例を加えた。血栓溶解に使用した薬剤はウロキナーゼ(UK)が20例,tissue plasminogen activator (t-PA)が6例で,発症から再開通(または治療終了)までの時間は2~12時間(平均4.5時間)であった。再開通の得られたのは26例中19例(73%)(完全13,不完全6)であった。内頸動脈終末部および中大脳動脈M1近位部の閉塞14例のうち再開通の得られた8例では全例広範な脳梗塞を認め,3例で外減圧を要した。機能的予後は,同部位の閉塞で未開通の2例と血栓溶解を行わなかった4例と同様,不良であった。一方,M1遠位部,M2-M3部の閉塞18例のうち,再開通11例中10例で症状の劇的改善が得られたのに対し,未開通または非施行7例では,1例を除き障害が残った。以上の結果より,内頸動脈終末部およびM1近位部の塞栓で血管撮影上側副血行が不良の場合,血栓溶解は脳浮腫の増強などむしろ不利益が大きいためその適応は少なく,M1遠位部以降の塞栓では,再開通により早期に脳を虚血から救うことができるため,積極的に血栓溶解療法を行うべきと考えられた。
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