Characterizations of reactions of nickel with iron hydroxides and oxides in high-temperature water. Dehydration rate of iron hydroxides and effect of iron chemical form.

沸騰水型原子炉の冷却水に含まれる腐食生成物 (鉄の各種水酸化物および酸化物粒子) とニッケルとの反応によるNiFe2O4の生成挙動を明らかにするために, 模凝実験と熱力学計算により検討した.熱力学計算からは鉄の水酸化物および各酸化物ともに573K以下でニッケルと複合化しNiFe2O4を生成可能であるが, 実験によりNiFe2O4を生成したのはγ-FeOOHと2種類の非晶質水酸化鉄であった.これら3種類の水酸化物は高温水中で脱水反応によりα-Fe2O3へ移行する.その際ニッケルを粒子内に取り込みNiFe2O4を生成する.結晶質のγ-FeOOHと水酸化ニッケルとの反応生成物が, 最も結晶性が高く比表面積が小さい.NiFe2O4を生成する3種類の水酸化物の脱水反応はAvramiの速度式に従い, 見かけの活性化エネルギーはγ-FeOOHが231kJ/molで3種のうちで最も大きかった.