膵内分泌腫瘍を契機に診断に至った散発性von Hippel-Lindau病の1例
2011
症例は59歳の男性で,糖尿病のコントロールが悪化したことから,膵疾患の有無を精査するために行われた造影CTの際に,血圧の急激な上昇を認め,褐色細胞腫が疑われた.精査にて両側に多発した褐色細胞腫と多発性の非機能性膵内分泌腫瘍と診断した.右副腎摘出術・左副腎部分切除術を施行し,その後二期的に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的診断は,副腎褐色細胞腫および非機能性膵内分泌腫瘍であり,疾患の組み合わせから臨床病理学的にvon Hippel-Lindau病(以下,VHL病と略記)が疑われ,遺伝子検査の結果,診断が確定した.VHL病は非常にまれな疾患であるが,遺伝性疾患であり慎重な対応を要する.また散発性の場合,疾患の組み合わせによっては診断が困難な場合もある.疾患の組み合わせから,多発腫瘍症候群を疑えば,本疾患を考え遺伝子検査を行うことが必要であると考える.
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