血球貪食症候群・血球貪食性リンパ組織球症―診断と治療,最近の話題を中心に

2011 
血球貪食症候群(HPS)・血球貪食性リンパ組織球症(HLH)は,免疫学的生体防御反応として natural killer 細胞や細胞傷害性 T 細胞が活性化したものの,何らかの原因で制御不能状態のため活性が持続しマクロファージ・組織球を異常に活性化させることとなり,組織臓器浸潤と過剰に産生される炎症性サイトカインにより症状を呈する疾患群である.基礎疾患は原発性(遺伝性)と二次性(後天性)に大きく分類されるが,その多くは二次性である.遺伝性疾患により病態が明らかにされつつあるが,詳細な発症病態はいぜん不明である.対症療法や基礎疾患に対する治療だけでは改善しないことが多く,活性化したリンパ球やマクロファージに対しての治療が必要となる.また,遺伝性や難治性の場合は造血幹細胞移植による治療が必要となる.
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