Long-term results of VATS extended thymectomy in 110 consecutive myasthenia gravis patients

重症筋無力症（Myasthenia gravis以下MG）患者連続110例に胸骨吊り上げ式内視鏡下拡大胸腺摘出術（吊り上げVATS extended thymectomy，以下吊り上げVATS-ET）を施行し，手術ならびに長期予後成績から本術式がMGに対する標準術式として許容できるか後ろ向きに検討した．過去9年間で開胸術へ術中変更になった4例を除く106例を対象とした．術後早期の手術成績は良好であった．手術時間の平均値は最初の3年間181分，最近の2年間127分であった．全MG患者の寛解率，有効率は術後6ヵ月25％，86％，1年28％，85％，3年31％，85％，5年37％，87％，8年50％，100％であった．吊り上げVATS-ETの合併症発生率は12.7％で左腕頭静脈損傷は2.7％であった．MGに対する吊り上げVATS-ETは手術成績と術後8年の予後成績から標準術式として許容できるが，有効性の科学的証明には他手術アプローチ法との長期予後の前向き比較試験が必要である．