ビス (シュウ酸) 酸化チタン (IV) バリウムの熱分解及びチタン酸バリウムの生成反応

1984 
熱重量分析, 示差熱分析, X線分析, ガスクロマトグラフィー及び赤外線吸収スペクトルなどの手段を用いてビス (シュウ酸) 酸化チタン (IV) バリウムの熱分解機構及びBaTiO3生成反応について検討し, 次の結果を得た.(1) BaTiO(C2O4)2・4H2Oの熱分解及びBaTiO3生成反応は次のように進行する. BaTiO(C2O4)2・4H2O→BaTiO(C2O4)2→BaCO3+TiO2→BaTiO3. (2) 熱分解過程で生成するTiO2は無定形であり, BaCO3は低温から高温へ無定形→ゆがんだ形の立方晶→斜方晶のように転移すると推定される. (3) BaTiO3生成反応は約720℃以上の温度で, その温度で存在する無定形, ゆがんだ立方晶及び斜方晶のBaCO3と無定形のTiO2との反応によって進行すると推定される. (4) BaTiO3生成反応の活性化エネルギーは46kcal/molで, 従来の乾式合成反応の58kcal/molよりかなり低い値である. (5) 従来の乾式合成反応の律速段階は拡散であるのに対し, 本研究のBaTiO3生成反応の律速段階はBaCO3の分解過程である.
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